2016年10月17日

オーテピア・ガーデン構想

新図書館施設案2F.jpg

現在、弊社から発行している機関誌『現代TIMES』において、高知市のまちづくりに関するエッセイのような記事が掲載されています。
比較的自由度の高い形式で編集スタッフが執筆しており、伝わり難い部分もありますので当ブログで補足したいと思います。


平成24年11月に、高知市が策定した中心市街地活性化基本計画が野田佳彦内閣総理大臣(当時)の認定を受けました。
市の 公式サイト によると平成30年3月までの期間に基本計画に基づく70以上の事業実施を掲げ、官民協働で高知市の中心市街地の活性化に取り組むとのことです。
そんな中、帯屋町の中心で多くの優秀な人材を輩出した高知市立追手前小学校が平成25年3月に141年の歴史に幕を閉じました。
小学校跡地(約3,000坪)には高知市と高知県が合同で整備する新図書館等複合施設(通称:オーテピア)が平成30年夏オープンに向けて現在建設中です。

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新図書館等複合施設『オーテピア』完成イメージ (高知市HPから引用)


しかしながら新図書館以外の西側敷地775坪(全体の約4分の1)に関しては未だにどのような整備がされるのか決まっていないのは新聞・テレビ等のニュースで御存知の通り。
現在はこの場所に仮設の市民図書館が稼働しており、新図書館完成後に引っ越したあとはプレハブが撤去され更地に戻されるようです。

いまのところ土地を所有する高知市としては、プロポーザル審査で選ばれた民間企業に定期借地で貸し出すというのが基本的な考えのようです。
もちろん誰でも簡単に手を挙げられるものではなく、専門家による検討委員会において機能やコンセプトを取り纏めて、そのガイドラインに沿った一番相応しい計画案を選出するということらしいです。
高知城や日曜市などの景勝地が近く景観やデザインも重要となりますし、大学・高校・図書館などが集積する文教地区でもあり、更には地域経済の中心である商店街に隣接するエリアでもあることから様々な役割を果たす機能を持ったオールマイティーな場所が求められるとこととなり、公共性がより高くなればなるほど、収益を求める民間企業には苦しくなってくる部分も出てきます。
高知市HPによると「中心市街地の活性化に資する機能を設け、土地の高度利用を図る」と書いてあるので、収益性の高いテナントビルや高層マンションあたりをイメージしているのかもしれません。

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航空写真による全体の位置関係が分かる図 (高知市HPから引用)


そうした中、10月11日に4回目の検討委員会が開かれるとの案内を受けたので傍聴してきました。
中心街でカフェ、レストランを営むという立場だけでなく、子どもの頃から帯屋町で遊んできた、暮らしてきた立場として強い関心がありました。
会の中ではまちづくりの専門家や各種団体の代表者、更には商店街関係者から様々な意見が出され、難しい専門用語が飛び交う濃密な二時間でした。

各委員にとってもそれぞれの立場・想いが違いますし、事務局となる高知市の事業実施の手順・プロセスにも疑問が呈されるなど一筋縄ではいかない印象。
素人の私から見ても議論の着地点を見い出せず、最終的には市民アンケートの結果や検討委員会の結論によっては基本的方針の変更も有り得るといった話になってきました。
来年の春には高知市として一定の結論を出して、今後の方向性を示すそうです。
※過去に開催された検討委員会の議事録等は高知市商工振興課の 公式サイト から確認できます。

なるほど市民アンケートを開催するのか!
それならば折角の機会なので何か提案をしよう!
となり、今回の現代TIMESにおいて西敷地がこんなエリアになったらいいな、というイメージイラストを発表するに至りました。

その前に次のパースと写真をご覧ください。

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『農園レストラン トリトン』をつくる際のパース@

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実際に完成した『農園レストラン トリトン』

トリトン透視図.jpg

『農園レストラン トリトン』をつくる際のパースA

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実際に完成した『農園レストラン トリトン』


現代企業社ではいつも新しい店づくりを行う際に、まず最初に建築士や画家を交えた雑談から始めます。
そこからコンセプトデザインや細かなアイデアなどを出し合ってイメージを作り上げていき、ベースとなるパース(イメージイラスト)を作成します。
※上記参照。見比べるだけで楽しくなりますね。

メフィストフェレスやパノラマあたりで美味しい珈琲を飲みながら意見を出し合うと特に捗ります。
今回のパースもいつもお世話になっている画家のHさんに協力して頂き、現代企業社の経営陣がアレコレ無責任なアイデアを侃々諤々と意見を出し合い完成しました。
イラストがあると議論も白熱して、ドンドン新しいアイデアが出てきます。
是非とも高知市には今まで以上の議論の深化を期待したく、いち市民の提案としてこれが「キッカケ」となることを願い、イラストを公開したいと思います。


新図書館施設案2F.jpg

オーテピア・ガーデン 二階部分


仮称として『オーテピア・ガーデン』と呼ぶことにしました。
二階部分が公園で、一階部分が広場の構想です。
事業実施主体が民間企業なのか、地方公共団体なのかは敢えて今回は触れません。

二階の公園では図書館の本を借りてきて読んだり、芝生の上で絵本の読み聞かせをしたり。
オーテピアの高知みらい科学館に遠足に来た小学生がお弁当を広げて公園で楽しむ姿も想像できます。
日曜市、よさこい踊りなども公園から楽しめそう。
更には浸水被害が心配される中心市街地の防災公園としての役割も果たします。
牧野植物園から幾つか高知に縁のある植物を移植して牧野植物園のサテライトパーク風にしてみたり。

新図書館施設案1F.jpg

オーテピア・ガーデン 一階部分


一階の広場はチャレンジショップのような形式で定期的に食やクラフトの店舗が移動式ワゴンで出店できるショッピングエリアに。
日曜市で購入した食材・料理も楽しめる空間とし、自由に利用できるスペース。
今は外国人も含めた観光客がゆったり寛げる場所が少なく、毎週末観光客が難民のように座る場所を探しています。
週末はイベントも開催できるスペースをつくり、ラララ音楽祭や、おびさんマルシェ、オーガニックマーケット、古本市なども開催すると面白そうです。


このような勝手な妄想を膨らませながら、高知市の未来に思いを馳せています。
これが呼び水となって高知市のまちづくり論が盛り上がり、私共のような商売人だけでなく学生・主婦・オフィスワーカー・シニアなどそれぞれの分野や立場から意見を発信することで、より良いまちづくりが形成されると信じています。


現代企業社
取締役副社長 大西みちる
(現代企業社ブログ 責任編集者)
posted by みちる at 12:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代タイムス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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